葬儀、お葬式、告別式について考える機会も必ずあるはずです。しかし今は、情報が氾濫しているため、葬送とは何なのかということが、どこかに置き去りにされているという葬祭ディレクターの声も耳にします。無計画という言葉を口にしていますが、確かに、誰もがいずれ死を迎えるのに、どうして最期を考えようとしないのでしょうか。
将来、『こうなりたい』『こうしたい』という思いを馳せることがあるのに、最期を直視したくないのであっても、考えなければ、無意味な葬儀になりかねません。費用ばかりがクローズアップされ、葬送の意味を考えていない人が圧倒的に多いようです。
それは、お葬式を考える前の看取りにも言えるといいます。家族が看取りに向き合うのが当たり前なのに、今は、介護保険制度があり、介護サービス付き賃貸マンションや老人ホームが提供され、ヘルパーさんが家族の代わりに付き添っており、看取りも家族でなくヘルパーさんが向き合うといいます。
遠くの親戚より近くの他人というように、隣近所の住民同士が支え合っているなら、突然の死に至らないかもしれません。せめて、看取りは家族で向き合いましょう。そうすれば、お葬式の相談のときに、いくらかかりますかという言葉がはじめに飛び出すことはないでしょう。
どんな葬儀をしたいのか、今一度、立ち止まって考える時間はあるはずです。